ハスラーは軽自動車ですが、多くの人が車中泊でも使っています。その理由は、シート展開するだけで「ほぼ」フラットに近い状態になるから。とはいえ、シートの凸凹などがあって寝にくいため、クッションなどを使って隙間を埋めるというのがセオリーのようです。
わが家には、以前購入したモンベルのスリーピングマットがあったので、段差にクッションを敷き、その上にこれを2つ並べて車中泊しました。想像以上に快適で、しっかり熟睡できましたが、ひとつ問題が。寝る前に、マットに空気を入れなければならず、これがちょっと面倒だったんです。
そこで、すぐにベッド展開できるようにするため、ベッドキットをDIYすることにしました。といっても、そんなに難しくはありません。90cm×55cmの板を4枚並べれば平らになるので、そのあと少し調整すれば完成します。では、その制作過程を順を追って説明しましょう。
(1)タイヤハウスのサイズに合わせて余計な部分を切断する。
55cm×90cmの板をそのまま敷こうとすると、後輪側のタイヤハウス部分が邪魔をしてうまく板を敷くことができません。そのため、出っ張っているタイヤハウスに合わせて余計な部分を切断する必要があります。
具体的には「型取りゲージ」を使って型を取り、その部分を抜いていきます。この時、あらかじめ段ボールなどで型紙を作っておくと、失敗などを減らすことができます。型取りするときに使ったのは、これ。
板を切断する時は、ジグソーなどの工具があると便利。曲がった線も簡単に切れるので、DIYには必須の工具となります。
(2)後側の板にスペーサーを入れてかさ上げする
実際に板を敷いてみると分かるのですが、ハスラーは後輪側が少し低くなっています。後輪側を高くするスペーサーを用意すれば、この問題は解決します。余っている板でも何でもいいので、とりあえずかさ上げできれば問題ありません。
僕は「アジャスター」を使って38mmほど上げています。アジャスターだと高さを微調整できるので、板をより安定させることができます。
(3)運転席側のシートと板との間を埋める
これも板を敷いてみると分かるのですが、運転席のシートと板との間に13〜15cmほどの大きな隙間ができます。クッションなど、ある程度厚みのあるものを使って凸凹を埋めれば水平になりますが、今回は廃材を2枚組み合わせたスペーサーを自作しました。使わないときには隙間に入れておけるので、邪魔にならないところが気に入っています。
これでベッドキットは完成です。このままでも板の間として使うことはできますが、横になると少し背中が痛くなります。快適性を上げるため、間にウレタンを入れることにしました。
そこで用意したのが、厚み3cmの「ウレタンフォーム」と、椅子の座面に使うフェイクレザーです。
ウレタンを板の大きさに合わせてカットしたあと、「タッカー」という工具でフェイクレザーを留めていきます。椅子の座面を張り替えるのと同じ作業なので、そんなに難しい作業ではありません。
これでクッション付きのベッドキットが完成しました。板を敷くだけでハスラーが車中泊仕様に早変わりします。寝る前の準備時間が大幅に短縮できて、大満足です。
ちなみに、「板」は基本的には何でもいいのですが、軽くて丈夫なものを選んだほうがいいと思います。ホームセンターなどにいくと様々な板が売っていますが、重い板をではベッドキットをセットするときに力が必要になり、かなり大変になるからです。
僕が使ったのは表面と裏面がラワン材、芯材がファルカタを使った12mmの合板。軽くてとても扱いやすい合板でした。
ざっくりと新型ハスラーのベッドキットのDIYについて紹介しました。