秋葉です。「奇跡の一本松」を見るために、道の駅「高田松原」に行きました。東日本大震災の津波にあった高田松原の中で唯一流されなかったため、復興のシンボルとして保存整備されているあの松の木です。海水による深刻なダメージを受けたため徐々に衰弱し、2012年5月には枯死しましたが、枝や葉などはレプリカを使っていたり、構造体には炭素繊維強化樹脂複合材料などを使用したりするなど人工的な処理を施し、モニュメントとして残されました。
「奇跡の一本松」は、道の駅「高田松原」や東日本大震災津波伝承館などからなる「高田松原津波復興祈念公園」にあります。道の駅には物産・農産直販エリアやフードコードなどがありますが、実際に行ってみると、この公園自体が鎮魂・慰霊・追悼のための施設なのだと感じました。
公園内を歩くと、海に向かって献花の場があり、その先にある防潮堤に献花台がありました。防潮堤から見る海はとても穏やかですが、振り返ると、ところどころに震災遺構があるものの、ほとんど何もない平野でした。その平野の中でただひとり立っているこの松を見ると、なんとも言えない気持ちになりました。仙台に住むとある知人が「奇跡の一本松のことはなんとも思っていなかったけど、実際に見たら涙が止まらなかった」という話をしてくれたことがあります。実際に目にすると、人々の希望・復興・悲しみ・祈りなど様々な思いを受けながら今もなお立ち続ける松の木の運命に思いを馳せ、言葉をなくしてしまいます。