今回、EcoFlowさんのご厚意により「Wave2」をお借りすることができましたので、そのレポートをお届けします。
バンワークの大敵は夏の猛暑です。冬は電気毛布やカセットストーブを使うことで寒さを凌げます。しかし夏の暑さはどうにもなりません。標高が高い場所や北海道など涼しい場所に移動するしか手はありませんでした。
その問題を解決するキーになるのが、この時期続々と新製品が発表される「ポータブルエアコン」や「スポットクーラー」です。これらを使えば猛暑もなんとかなるかもしれません。
さて、私たちは昨年「クレクール3」を導入しました。吸排気システムを工夫する必要はありますが、それをクリアできればある程度は車内を冷やすことができます。しかしそれは朝晩に限ります。太陽の光で温められた車内温度を下げるにはパワー不足が否めません。そこで、EcoFlowの「WAVE 2」を試してみることにしました。「Wave2」は、昨年発売された「Wave」の後継機です。サイズはかなりコンパクトになりました。
吸排気ダクトの接続口を本体背面にまとめているため、屋外への吸排気の経路を確保しやすく設置性も高いという特徴があります。またクーラーとしてのスペックも高いため、夏の車内温度を下げるクーラーとして活躍しそうです。
今回、EcoFlowさんから「Wave 2」をお借りすることができたので、ハイエースに設置してみることにしました。借りたのが5月ということもあり、猛暑でのテストはできていないことはご了承ください。
スペック的には「10立方メートル以下の空間温度を約5分で10度下げる」となっていますが、本当のところはどうなのでしょうか。ということで、早速実験を開始。まずは簡易的に設置してみました。
ダクトを1つだけ使い、冷たい空気を荷室に送るように設置しました。屋外テントでの利用を想定した設置方法です。この状態で10分間稼働させて車内温度の変化を測ってみたところ、10分で1.3度下がりました。この設置方法だと冷えた空気を吸気できないため、冷房の効果が低かったのでしょう。
次に、Wave 2背面に吸排気ダクトを接続し、冷気の吹き出し口と吸い込み口を車内におくように設置しました。同じように10分間稼働した結果、2.2度下がっていました。この設置方法のほうが冷房効果が上がりそうです。実際にWave 2を設置するときは、このパターンになると思います。
スポットクーラーやポータブルエアコンを導入する際、大きな課題になるのが「電源の確保」です。Wave 2は冷房最大消費電力が700W。ある程度温度が下がってくると200〜500W程度の電力を消費します。長時間使うためには2000Wh以上の大容量のポータブル電源が必要でしょう。
オプションで拡張バッテリーを付けることができるので、今回、拡張バッテリーで使用する場合の残量を確認してみました。その結果がこちらです。
16度設定だと急激に冷やそうとするため大量の電力を消費しますが、設定温度をあげれば、ある程度節約できます。また、Wave2には「省エネモード」が用意されているため、これを使えばもう少しバッテリー消費を抑えられるかもしれません。
Wave2を実際に試してみて、冷房能力が優れていることはわかりました。これがあれば、夏のバンワークも乗り切れそうです。ただし、バッテリー問題という課題は残ります。車に連泊する場合、拡張バッテリー付きで購入したとしても、毎日満充電にできなければ使えません。この課題を解決する方法を考えてみましょう。
たとえば一日おきにRVパークで車中泊することにすると、どうでしょうか。RV泊する日は電源があるので問題ありませんし、翌日は拡張バッテリーが満充電されている状態なのでエアコンを使うことができます。そうすれば暑さが凌げるようになるでしょう。
巨大なポータブル電源を設置し、そこから給電するという方法もあります。たとえばDELTA 2と組み合わせれば省エネモードで7〜14時間使用できますし、拡張バッテリーがあれば、さらに使用時間を延ばすことができます。
ただしその場合もポータブル電源と拡張バッテリーを充電する必要がありますから、もう少し頻度は下がるにせよ、RVパーク泊は必要になるでしょう。Wave2はソーラー給電にも対応しています。ソーラーパネルから給電しながら使えば、もう少し時間は伸ばせそうですね。さらに走行充電を組み合わせれば、RVパーク泊の頻度を下げられるかもしれません。
……と、バッテリー問題を考え始めると悩みは尽きませんが、Wave2の冷房能力が高いことは確認できましたので、夏のバンワークの悩みはひとつ解決できました。Wave2には暖房機能も搭載されているので、冬の寒さもこれ1台でなんとかなるかもしれません。このあと、バンワークのベストプラクティスを検討してみようと思います。